音速雷撃隊

松本零士原作の“THE COCKPIT”
そのOVAの中のエピソード“音速雷撃隊”のMADです。
10年以上前の作品なのに、なぜなにコンビニでこの主題歌が流れていて、久しぶりに観たくなりました。
折りしも終戦の夏。平成20年を昭和20年に置き換えると感慨も一入、ちょっとばかし考えてみるべきかな〜と。



終戦間近の1945年、夏。
日本は特攻隊を次々と発進させていました。
このアニメは「桜花」というロケット機の話です。
最初から特攻の為だけに開発された、人間ミサイル。
小さな機体に1トン以上の爆弾を付け、
時速1000kmのスピードで体当たりする。
特異な機体の為、普通に操縦することはできないので、
敵がいる場所までは一式陸攻という母機に抱かれ、
零戦などの戦闘機に護衛されて行く。
母機から切り離されれば最後、
脱出装置などない桜花は、ただ体当たりのみ。
しかし、敵を発見する前に、鈍重な母機もろとも敵機に撃墜されてしまうケースがほとんどでした。
それでも、なんとしても桜花を発進させたいという気持ちで、護衛たちは決死の覚悟で母機を守ります。燃料がたくさん積めず、長距離飛行ができない紫電隊までもが燃料切れで基地に帰れない事を判っていながら、最後まで母機を守り戦います。

神雷

この作品では攻撃に成功しますが、実際の桜花は目立った戦果をあげる事はできませんでした。
終戦を迎える前、たった3ヶ月間の出来事でした。
第二次大戦の特攻隊で亡くなったのは11,600名、そのうち桜花搭乗員は55名。母機の搭乗員は368名でした。
特攻隊員たちはみな、10代後半〜20代前半で、しかも海軍のエリートばかりだったそうです。

野上少尉

多分に漏れず、主人公である野上少尉もまた、学徒出陣で軍人になり、桜花での特攻を選択します。皮肉にも彼は在学中にロケット工学を専攻していて、出撃前の最後の晩、
「もし…あと30年生かしてくれたら、あの月までロケットを打ち上げる」と自らの夢を語り、母機の機長は
「この戦争で死んだ世界中の若いのが、あと30年生きていたら色々な事をやったろうになぁ…」とつぶやきます。印象深いシーンです。

出撃前夜

恋人を残し、夢を捨てて「桜花」で突入した野上少尉。
この作品はフィクションだけど、
現実に野上少尉のような境遇の人は沢山いたはず。
はっきり言って自分は特攻なんてごめんだし、
日の丸を背負って死にたくないけど、
当時の彼らにとっての日の丸は、どのように見えたのだろうか。
死をもって守ろうとした日本の未来をどのように想像してたのだろうか。自分達は、彼らに恥ずかしくない生き方ができているのだろうか?

決死と必死

発進

「先人達の尊い犠牲の上に現在の日本が」とか、
それらしい言葉を積み上げたり、悲惨な歴史も知識では幾ら知っていても、やはりそこは平和ボケした人間であり、
当時の尋常ではない状況を真に理解するのは難しいと思うし、
自分には「先人達に誇れる立派な日本を作る」なんて大それた事は言えないけれども、
それでも、せめてもの出来る事は、この歴史を記憶し続け、語り継ぐ事なのかな、と。
そういった意味でも、アニメという媒体でもこういった作品がリリースがされた事はとても良い事だと思います。

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このOVA、全三話ですが、どれもこれも良作です。
特に今回の“音速雷撃隊”は、時期的に“ガンダム0083”を作り終えたばかりの脂ののったスタッフ達がそっくりそのままこの作品へシフトして手掛けてるから、それはもうクオリティは神。
緑川光演じる野上少尉がこれほどしっくり来る零士キャラもまた珍しいかな?

原作の“THE COCKPIT”、まだまだエピソードはたんまりあるので、年一本のペースで結構なのでOVA化していただきたいものです。   (そ)



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